A11 Bionicチップは6コア(2+4コア)同時駆動が可能で性能が大幅に向上!
A11 Bionicチップは3年前から開発されていた
iPhone XとiPhone 8/8 Plusに搭載されているA11 Bionicは3年前にA8チップを搭載したiPhone 6/6 Plusがリリースされたときに開発を開始していたことをAppleのJohny Srouji氏とPhil Schiller氏のインタビューによって明らかになりました。
専用のニューラルエンジン
A11 Bionicチップには新たにニューラルエンジンと呼ばれる専用のニューラルネットワークハードウェアが搭載されておりFace ID、Animojiなどの機械学習タスクを実行するために使用されます。
ニューラルエンジンの計算能力は6000億回/秒で学習タスクを処理することができ、CPUやGPU上で実行することができる高度なハードウェアとなっており、グラフィックエンジンで実行するよりもはるかにエネルギー効率が良くなるそうです。
開発が開始された時はモバイルレベルでAIや機械学習について話が出ていない時に、ニューラルエンジンの開発を決定していたそうです。
第2世代のパフォーマンスコントローラーで6コア同時駆動が可能に
A11 BionicはA10チップよりも25%高速な高性能コアが2つ、A10チップよりも70%高速な高効率コアが4つ、合計6つのCPUコアを搭載しています。
A10 Fusionチップと大きく違う点として、A11 Bionicチップは特定のタスクが要求する場合に6つのコアを同時に動作させることができる第2世代のパフォーマンスコントローラが搭載されているところでしょうか。
A10チップは高性能コアか高効率コアのどちらかのコアを状況に応じて使い分けをしており、実際は2コアのパフォーマンスしか出すことができませんでしたが、A11チップは6コア全てのコアを同時に動作させて最大限のパフォーマンスを生み出すことができ、よりマルチスレッドタスクの性能が向上しています。
すでにA11 Bionicチップのベンチマークスコアが公開されていますが、A10チップと比較してもマルチコアのスコアが倍の性能を持っていることがわかります。注目すべき点はA11チップは6coreと記述されているところでしょうか。
iPhone 7のA10チップはクアッドコアですが実際に動作しているのには2つのコアだけなので2coreと記述されています。
動作クロック数も2.3GHzから2.0GHzと抑えられているのにも関わらず、シングルコア、マルチコア共に性能が向上しているのがなかなか凄いところですね。
ちなみに、A11 Bionicチップは10nmのプロセスルールで製造されており、GPUコアはA10チップよりも30%高速なAppleが独自に開発した3コアのGPUを搭載しています。今まではImagination TechnologiesのGPUコアを搭載していたことからライセンス料の支払いをしていましたが、A11 Bionicからはライセンス料金を支払う必要がなくなっています。
少し前までA12チップよりGPUコアはAppleの独自コアになると噂されていましたが、かなり早い段階で移行することができたようです。最大の顧客だったAppleを失ってしまったImagination Technologiesは株価が暴落しています。