iPhone 6のテザリングは体感速度が向上!TD-LTE対応の恩恵か?
iPhone 6のテザリングが速くなった??
アップルのiPhone 6とiPhone 6 Plusは新しいLTEモデムチップを採用したことでFDD-LTEに加えてTD-LTE(ソフトバンクのAXGPとauのWIMAX 2+)も使えるように進化しました。
ソフトバンクのAXGPは「Softbank 4G」として主にAndroidスマホが利用している電波でiPhone 6からは「Hybrid 4G」に晴れて対応したことになり、電波状況により自動的に今までのFDD-LTEとTD-LTEが切り替わる仕組みになっているようです。
ソフトバンク版のiPhone 6はAXGP(TD-LTE)が優先的に接続されるように多分なっています。
関連記事 iPhone 6/6 PlusはSoftbank 4G(AXGP)やWIMAX 2+に対応へ!繋がっているか確認する方法は?
そして、気づいたのです。
iPhone 6でテザリングを利用してMacBook Proを接続したところiPhone 5sの時と比べてネットの体感速度が速くなっていることを!もしかして、AXGP(TD-LTE)に接続されているからなのか?
ソフトバンクの場合のFDD-LTEとTD-LTEの違いはこのようになっています。
FDD-LTE(Softbank 4G LTE)
●下り 75Mbps / 上り 25Mbps(一部エリアで112.5Mbps)
下りと上りの周波数を別々に分けてデータの送受信を行う方法です。CA(キャリアアグリゲーション)対応で150Mbpsが2015年より実現します。
TD-LTE(Softbank 4G)
●下り 110Mbps / 上り 10Mbps
一つの周波数を利用して下りを交互に切り替えてデータの送受信を行う方法です。CA(キャリアアグリゲーション)対応で下り最大165Mbpsが実現します。ただし、iPhone 6/6 PlusのLTEモデムは150Mbpsまでなので対応しません。
下りと上りの割合を可変させることができるので、周波数の利用が限られる場合に効率的な運用が可能になります。
スペックで見ると現段階ではSoftbank 4Gの方が確かに受信速度は速いということになります。しかし、楽観するのはまだ速いです。あくまで最大速度の公称値だからで実測では果たして本当にそうなのか?
実験的に実測しましたので参考にしてください。場所は地方の田舎ですので東京都内とかの比較にはなりませんが..!
測定方法はFDD-LTE通信となるiPhone 5sとTD-LTE通信となるiPhone 6をMacBook ProでテザリングしてBNRスピードテストにて測定をしました。
iPhone 5s(FDD-LTE)の通信速度
下りの通信速度
1回目:2.40Mbps、25.21Mbps
2回目:23.14Mbps、3.25Mbps
上りの通信速度
2.73Mbps
iPhone 6(TD-LTE)の通信速度
下りの通信速度
1回目:11.43Mbps、12.56Mbps
2回目:12.35Mbps、8.05Mbps
上りの通信速度
4.84Mbps
結果としてはピークの受信速度はiPhone 5s(FDD-LTE)の方が25.21Mbpsと速いですが、遅い場合で3.25Mbpsと極端に速度が低下することもあります。
一方のiPhone 6のTD-LTEはピーク速度こそ速くはありませんが、安定して10Mbps付近のスピードを発揮しています。何回か繰り返しテストしましたがFDD-LTEは速度が安定しませんがTD-LTEは安定しています。そして、送信速度はTD-LTEの方が速い結果となっています。
場所によってもユーザー数によっても結果は異なるのでしょうが、まだまだユーザー数の少ないTD-LTEは安定した通信を行うことができるのかもしれません。
体感としてiPhone 6のテザリングが速く感じたのは混みあっていないことにより安定したスピードが得られていた結果なのかもしれません。
そもそも、テザリングじゃなくても高速化しているのかもしれませんが、モバイルサイトだと少し変化が気づきにくいですからね。
iPhone 6/6 Plusのユーザーが増えることにより少しずつ遅くなってくる可能性もあるので今だけのおまけ的な要素が強いかもしれません。いずれにしろ2015年から開始されるFDD-LTEのCA化でさらなる高速通信がiPhone 6でも期待できます。