APFSを採用したmacOS High Sierraでシステムが高速化しストレージ容量が最適化される!
APFS採用のmacOS High Sierraでシステムが高速化!
iOS10.3でAppleの新しいファイルシステムAPFS(Apple File System)が採用され、2017年秋にリリースされるmacOS High SierraにもAPFSが採用されることがWWDC 2017の発表で明らかになりました。
APFSはフラッシュストレージを前提とした64ビットファイルシステムで、マルチスレッドに対応し強力な暗号化技術、Space Sharing(複数ファイルシステムの空き領域共有)対応、クラッシュプロテクション(メタデータのCopy-On-Writeなど)に対応しクラッシュしにくいものになります。
iOS10.3でAPFSが採用されましたが、正直なところiPhoneやiPadでは体感できるほど変化したとは思えませんでしたが、macOSにおいては高速化と安定性をもたらすことになりそうです。では、APFSを採用しているmacOS High SierraはmacOS Sierraと比較して、どのような変化があるのかが気になるところです。
そんな中、Appleinsiderにて起動時間、ファイルコピー、ストレージの効率化の3つの項目でAPFSのテストしています。テストに使用したMacは以下の2台で、macOS Sierraでテストした後にmacOS High Sierraにアップグレードして比較をしています。
- MacBook Pro Retina 2015(クアッドコアCore i7、16GB RAM)
- Mac mini 2012(クアッドコアCore i7、16GB、SSD)
起動時間
MacBook Pro Retina 2015はPCI-EのSSDを搭載していますが、macOS High Sierraは24秒で起動したそうです。macOS Sierraと比較して18%〜75%ほど短縮したとのこと。
Mac miniはSATA-3のSSDを搭載したモデルとなっており、macOS High Sierraは27秒で起動したそうです。macOS Sierraでの起動は42秒だったことから、64%も起動時間が短縮したとのこと。
- macOS Sierraの起動時間:42秒
- macOS High Sierraの軌道時間:27秒
ファイルのコピー
MacBook Pro Retina 2015にてHFSでフォーマットされたMushkin Ventura Ultra USB 3.0 SSDに1250のMP3ファイル(30GB)をコピーすると4分51秒掛かったそうですが、APFSに再フォーマットしたSSDにコピーすると3分22秒で終了し、コピーに必要な時間を1分20秒ほど短縮することができたそうです。
- macOS Sierraで30GBのファイルコピー:4分51秒
- macOS High Sierraで30GBのファイルコピー:3分22秒
ストレージの効率化
macOS SierraまでのファイルシステムのHFSはファイルをコピーした時に同じファイルを複製していましたが、macOS High SierraのAPFSは同じファイルが二つ保存されることはなくエイリアスのように仕組みで保存されます。ユーザーがファイルを変更すると変更したブロックのみが保存されることになります。
macOS SierraをインストールしたMacBook Pro Retina 2015のストレージの使用容量は222GBありましたが、macOS High Sierraにアップグレードすると10%ほど使用容量が減り202GBに縮小したとのこと。Mac miniもmacOS High Sierraにアップグレードしただけで19GBの容量を削減することができたようです。
その他の機能
APFSはパーテーションのボリュームを動的に拡張したり縮小することができ、必要に応じて複数のパーティションを自動的に可変させることができます。スナップショットが保存されるため読み取り専用コピーで簡単に復元することも可能になるようです。
現在の制限について
APFSはフラッシュストレージを前提としたファイルシステムなのでHDDを搭載しているMacをmacOS High SierraにアップグレードしてもAPFSに自動変換されることはありません。また、Appleのリリースノートによると3TB FusionドライブとBootCampを搭載したiMacなど一部のモデルがサポートされていないかもしれません。
ストレージドライブをAPFSにフォーマットすると、macOS SierraとmacOS High Sierraにのみマウントされることになり、古いバージョンのmacOSとすべてのバージョンのWindowsからドライブを読み取ることができません。
開発者にAPFSを採用したmacOS High Sierra betaの提供が開始されていますが、現時点では様々なバグが存在しているようで、正式版のリリースまでに致命的なバグの解消に期待したいところです。