次世代LTE-Advancedの通信規格にTDD方式採用か?ソフトバンクとauは有利に
総務省が先日、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンク・イーアクセスの4社にLTE-Advancedの実用化に向け3.5GHzの割り当てを行う方針であることが明らかになりましたが、総務省が各社からヒアリングをしているそうですがいずれのキャリアも次世代の通信方式として「TDD」を採用する計画であることがわかりました。
FDDとTDD方式の違い
LTEの通信方式には「FDD」と「TDD」の2種類存在しており主な違いとしては、「FDD」は上下の通信を別の周波数に割り当て、「TDD」は上下の通信は同じ周波数を使用し時間を切り替えて通信を行っています。「LTE-Advanced」は真の4Gと呼ばれ現在のLTEを複数の周波数帯を束ねて通信を行うことで高速化が可能となる技術です。
現在の各社の採用状況は以下の通りです。
- NTTドコモ:FDD-LTE
- KDDI:FDD-LTE、WIMAX+2(TD-LTE互換)
- ソフトバンク:FDD-LTE、AXGP(TD-LTE互換)
- イー・アクセス:FDD-LTE
ソフトバンクとauは既にTD-LTEを運用
ソフトバンクとKDDIは既にTD-LTE互換であるAXGPやWIMAX+2の運用を開始していることから基本技術は持っているといえそうで、特にソフトバンクはウィルコムのPHS網を利用しているためコスト的に見ても他社と比べても有利な状況になっているのではないでしょうか。LTE-Advancedのことも見越してのPHS網のAXGPの転用をしていったのでしょうから上手く先を読んだという印象を受けます。
問題はNTTドコモでTD-LTEのサービスを展開していないためいちから構築する必要があります。
世界的に見ると現在はFDD-LTEがメイン規格となっておりAppleのiPhoneもこちらが主力となっていました。
しかし、中国ではTD-LTEを採用しておりチャイナモバイルからiPhoneが登場することを受けTD-LTEに対応したiPhoneを投入、世界的に見ても今後普及することが予想されます。かつてのKDDIがCDMA2000を採用したことで世界標準だったW-CDMAから外れてしまったこともあったことから携帯各社は軒並み足を揃えた形になったようです。