携帯電話回線の進化【第3世代・第4世代】

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前回の携帯電話回線の進化【第1世代・第2世代】に続き、身近な 3G や 4G と言われる【第3世代・第4世代】編へと行きましょう。

第3世代移動通信システム(3G)

第2世代は携帯電話を持って海外に行く事はできませんでした。またデータ通信にも対応していないので、携帯電話回線を利用してパソコンでインターネットを利用することもできませんでした。
そこで世界共通規格を作るために ITU 国際電気通信連合 が IMT-2000 を策定し世界中で IMT-2000 規格に準拠した携帯電話(移動体通信システム)の通信規格が開発されました。

この IMT-2000 規格に準拠した通信規格のことを 第3世代移動通信システム(3G)と呼びます。規格が世界共通化されているため、日本の携帯電話を海外で利用することも可能になりました。また、データ通信も可能となり携帯電話回線を使ってパソコン等でインターネットの利用できるようになりました。この頃から 3G とか 2G というふう呼ぶようになったと思います。

日本では、2種類の規格が登場しました。

W-CDMA (Wideband Code Division Multiple Access)

W-CDMA は NTTドコモ や Ericsson社 などが開発しました。NTTドコモ(FOMA)、ソフトバンクモバイル(SoftBank 3G)、イーモバイルで採用されている規格です。NTTドコモは2001年5月に FOMA というサービス名でサービスを開始しました。CDMA技術 を採用し、広い周波数帯域(1.25,5 MHz幅)を使用することにより高速データ通信を可能としています。

最大 384kbps の通信速度があります。

cdma2000

cdma2000 は cdmaone が発展したもので、米クアルコム社が開発した規格です。KDDI(au)が採用しています。cdmaone との互換性があり今までの端末を利用することができ基地局も最小限の投資で cdma2000 に対応できたので KDDI(au)としてはコストパフォーマンスが良かったでしょう。

最大 144kbps の通信速度があります。

第3.5世代移動通信システム(3.5G)

第3世代移動通信システムを高速データ通信に特化した規格に改良・発展させたものです。w-cdma と cdma2000 を発展させたものがあります。

CDMA2000 1x EV-DO

KDDI(au)が cdma2000 を発展させて、2003年11月に他社に先駆けて CDMA 1X WIN として高速通信サービスとして開始しました。

最大 下り2.4Mbps/上り153.6kbps の通信速度があります。

HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)

2006年8月に NTTドコモ が FOMAハイスピード として、2006年10月に ソフトバンクモバイル が 3Gハイスピード としてサービスを開始しました。

最大 下り3.6Mbps/上り384kbps の通信速度があります。
2008年に、最大 下り7.2Mbps/上り384kbps に高速化しました。

2009年には上りを高速化した HSUPA を開始しました。
最大 下り7.2Mbps/上り5.7Mbps

2011年には下りを高速化しました。

最大 下り14Mbps/上り5.7Mbps

CDMA2000 1x EV-DO Rev.A

KDDI(au)が CDMA2000 1x EV-DO を発展させて上りの通信速度を大幅に上げました。2006年12月に CDMA 1X WIN というサービス名で開始しました。

最大 下り3.1Mbps/上り1.8Mbps の通信速度があります。

CDMA2000 1xEV-DO MC-Rev.A

KDDI(au)が、2010年11月に WIN HIGH SPEED というサービス名で開始しました。CDMA2000 1xEV-DO Rev.A(下り3.1Mbps/上り1.8Mbps)を最大3本束ねる事により高速化しました。

最大 下り9.2Mbps/上り5.5Mbps の通信速度があります。

2009年〜2010年頃に CDMA 1X WINにおいてCDMA2000 1xEV-DO Rev.B方式のサービスを検討していたが、のちに次世代携帯電話の通信方式としてLTEを導入することを表明したため、それまで検討中であったRev.B方式のサービス導入は事実上取りやめとなり、代わりにMC-Rev.Aに引き継がれる事となりました。

DC-HSDPA、HSPA+

2010年に イーモバイルが EMOBILE G4 としてサービス開始しました。
2011年の、ソフトバンクモバイルが ULTRA SPEED としてサービス開始しました。

最大 下り42Mbps/上り5.8Mbps の通信速度があります。

第3.9世代移動通信システム(3.9G)

第3世代と同じ周波数帯域の電波を使用し、第4世代移動体通信システムの通信技術を導入した通信規格です。「限りなく第4世代に近い」ということで 3.9G と呼ばれています。3.9Gには2つの規格があり、W-CDMA系の LTE と CDMA2000系の UMB があり、KDDIは、 LTE の導入を決めて、日本は全ての移動体通信事業者で LTE を採用しています。LTE にも2種類あります。

FDD-LTE:NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル、イーアクセス
TDD-LTE:ソフトバンクモバイル

LTE

LTE(Long Term Evolution)FDD-LTE

NTTドコモが、2010年12月に Xi(クロッシィ) としてサービスを開始しました。
KDDI(au)は au 4G LTE 、ソフトバンクモバイルは SoftBank 4G LTE として2012年9月にサービスを開始しました。

最大 下り75Mbps/上り25Mbps の通信速度があります。
2013年には 最大 下り112Mbps/上り25Mbps になる予定です。

LTE(Long Term Evolution)TDD-LTE

ソフトバンクモバイルが、2012年10月より SoftBank 4G として開始します。ソフトバンク傘下のWireless City Planningが提供するAdvanced eXtended Global Platform(AXGP)網を利用した、ソフトバンクモバイルのMVNO型データ通信サービスです。

最大 下り110Mbps/上り10Mbps の通信速度があります。

UMB(Ultra Mobile Broadband)

CDMA2000の発展規格となります。規格を推進していた米国クアルコム社は、LTE 規格策定が順調に進んでいることを受け、技術開発の終息を宣言しCDMA2000系は消滅する事になります。

第4世代移動通信システム(4G)

第4世代移動通信システム(4G)とは、国際電気通信連合(ITU)が定めるIMT-Advanced規格に準拠する無線通信システムのことで現在 4G と言われるサービスは正確には 3.9G であり本当の 4G は2016年からサービス運用が始まる予定です。第4世代携帯電話の特徴としては、50Mbps – 1Gbps程度の超高速大容量通信を実現するとのことです。

現在、4G に認定されている規格は2つあります。

・LTE-Advanced
・WiMAX2

日本では全ての移動体通信事業者は、現在 LTE を採用しているので LTE-Advanced へと移行すると思われます。Wimax を運用しているKDDIの子会社UQコミュニケーションズが今後 Wimax2 を導入するか気になるところです。

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